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君と鼓動が重なる時・2【進撃の巨人】

第39章 再会の意味



「ほんとさ、そういう根も葉もない噂って
一番タチ悪いんだよね。
何を根拠にそういうこと言うんだろ。」


「……本当に噂ってことか?」


「当たり前でしょ。」


あっさり否定した凛は
面倒そうに小さくため息を吐く。




「第一、調査兵団の団長が
私程度の女に心揺らいで、
側に置きたいからって理由で
秘書にすると思う?」


確かにそれもそうだ。

いや、憲兵団ならそんな理由で
秘書にすることがあっても
まぁ、ありえない話ではない
と思ってしまう気がするが、
常に死の瀬戸際で戦う兵士たちを率いる団長が、
色恋沙汰で公私混同するとは考えにくい。




「そんなだらしのない団長、
誰も付いて行かないでしょ。」


「……まぁそうだな。」


「普通に考えたら分かるのに、そうしないのは、
きっとジャンの周りが平和だからだろうね。
そんな話でもしてないと、話題に困る位には。」


なかなかの厭味が込められているが、
凛がそう言いたくなるのも分かる。




……確かに、今、この塀の中は平和だ。



あの時の惨劇を、
もう遠い昔の話にしようとしている奴も
普通にいる。

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