第6章 仕事内容と仕事仲間
「何も問題ない。
これまでの会議で、
君の実績も評価されたからな。」
「……実績?」
エルヴィンの口から出た、
全く心当たりのない言葉に、
頭の中は疑問符で埋め尽くされる。
「お前、今まで色々なことについての考察を
論文として書かされてただろ?
あれが評価されたんだよ。」
リヴァイに声を掛けられ、
少しだけ脳内を支配していた疑問符が
取り除かれるが、疑問はまだ尽きない。
「あれって宿題みたいなものじゃなかったの?」
確かにここに来て勉強を始めてから、
かなりの量の論文を書いた記憶はある。
今まで生きてきた中で、
あれほどまでに文字と真剣に
向き合ったことはないだろう。
だけど、人様に評価してもらえるような
文章を書けた記憶は全くなかった。