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君と鼓動が重なる時・2【進撃の巨人】

第5章 モブリットの情動



……が、

特に拒絶する様子のない
凛さんを見て、不意に動きが止まる。



「拒否……しないんですか?」

吐息で髪が揺れるくらいの距離のまま、
そう問いかけると、
凛さんは軽く目を瞑った。


「うーん……
モブリットはエルヴィンたちの部下な訳だし、
拒否しないといけないとは思うんだけど。
それ以外に拒否する理由が、
思い浮かばないから。」


ハッキリとした拒否する理由が
思い浮かばないから、拒否しない。


この人は、そんな理由で
俺を受け入れてくれようとしてるのか。

そう思うと、自然に身体が離れた。



なるほど……
自分はなかなか我儘な人間なのかも知れない。



「……それが俺を拒否しない理由なら、
やっぱり俺はこれ以上、
凛さんに近付けないです。」

「……どういうこと?」

不思議そうな声を聞いて、一度浅く呼吸をする。

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