第33章 リヴァイの感情
「待った。私にはその意味、
教えられないってこと?」
「……エルヴィンの許可なく、
俺が教える訳にはいかないだろ。」
きっとエルヴィンは
凛にそれを伝えたいと思っていない。
同時に俺も教えたいと思わない。
「いつも許可なく色々してくるクセに、
そこは守るんだ。」
「これについては、な。」
掴まれた手を掴み返し、
再びボタンを外し始める。
無抵抗になった凛に視線を向けると、
何かを考えている表情だった。
「まぁ納得いかないのは分かるが、
何も性欲を解消する対象は
エルヴィンだけじゃないだろ。」
「……そういう問題じゃないことくらい、
リヴァイにも分かってるでしょ。」
冗談めかした会話にも、
もう付き合う気はないらしい。
「ねぇ。
やっぱり私には分からないのかな。」
「……そうだな。」
「一緒に調査に出たら分かる?」
「ふざけたこと言ってんじゃねぇぞ。」
お前の冗談にも付き合っていられるか。
が、凛の表情は至って真剣で、
冗談ではなさそうだった。