第32章 エルヴィンの感情
侵入してきた舌を拒むことも出来ず、
受け入れると絶えず先に進みたくなる。
やはり机を叩き割る訳にもいかず、
それでももっと近付きたくなり、
唇は重なったままに無理矢理凛を
机の上に引き摺り上げ、強く抱きしめた。
書類が床に散らばるが
気になんてしていられない。
凛にこんなことをされて
我慢するなんて無理だ。
キスをしていいかと聞かれた時ですら、
下半身は既に反応しきっていたのに、
こんな強引に来られた今、
もはや理性なんてものは崩壊している。
凛を机に上げたことで体も弄りやすい。
早々にシャツに手を入れ込もうとしたその時。
散らばった書類の一部が視界に入り、
エルヴィンは大きく息を吐いた。
「……すまない。」
もうそれしか言いようがなかった。
「……エルヴィン?」
「凛は先に休んでいてくれ。
俺は仕事の続きをするよ。」
それだけ言って、
凛を机の上から降ろし、
あちこちに分散した書類たちを集め始めた。