第32章 エルヴィンの感情
「もう行くの?」
「ああ。
凛も仕事が立て込んでいるだろう。」
はい。全くもってその通りです。
心の中でそう頷いた後、
「今からエルヴィンの部屋に行ってもいい?」
と、まるで裏腹な返答をする。
「……それは俺の質問の答えではないな。」
エルヴィンは耐えきれず頬を緩ませる。
「そうなんだけど……
仕事はエルヴィンの部屋でする。
それならいい?」
「そうだな……
だいぶ散らかっているがいいか?」
「大丈夫!!
すぐ書類持って部屋に行くね!」
エルヴィンの気が変わらないうちに、
と迅速に返事をし、
自分の部屋へ急いだ。