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君と鼓動が重なる時・2【進撃の巨人】

第32章 エルヴィンの感情




夕方になり、
凛は食堂で迅速に夕食を食べ終えると、
再び仕事に戻る為、自室へ急ぐ。


今日中に終わらせたい仕事が
まだ山の様にある。

この状況は元いた世界で
何度も経験済みだが、
あの時のような憂鬱さは
不思議なくらいまるでなかった。



「凛。お疲れさま。」


正面から正に今、欲していた対象の声を耳にし、
勢いよく顔を上げる。

それと同時に反射的に周りを見渡し、
他に兵士がいないか素早く確認した。


「エルヴィン……久しぶり。」

エルヴィンに労いの声を
かけてもらっただけで
心が弾むような気分になれる。

お蔭で自分の声も
心なしかはしゃいでいた。



「久しぶりってことはないだろう。
一応毎日顔は合わせているぞ。」

「それでも久しぶりな気がするよ。
調査が決まってから、
まともに話した記憶がない。」


「……そうかもしれないな。」

エルヴィンはそう言って
少し考える素振りを見せるが、
再び足を進め始めた。

と同時に、凛はエルヴィンの袖を掴んだ。

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