第31章 それぞれの感情
「エルヴィン、今日も調子がいいな。」
「ああ。そうみたいだ。」
エルヴィンは機動装置で
隣に飛んできたミケの声掛けに
返事をしながら、ブレードを鞘にしまう。
「“タイムスリップ”していたことで
調査前の訓練期間はいつもより
かなり短くなったはずなのに
お前たちの調子は上がる一方じゃないか。」
「……ミケ、何か言いたげだな。」
エルヴィンはミケの発言の意図に気付き、
フッと息を漏らした。
「凛に尽くしてもらってるからか?」
「随分単刀直入に聞いて来るんだな。」
「遠回しに聞いても答えないだろ、お前は。」
ミケはそう言うと
エルヴィンの肩を肘で小突く。
「答えるよ。お前が思っている通りだ。
凛に支えてもらっているから
俺もリヴァイも調子がいい。」
エルヴィンは即答すると
立っていた木の上に腰を下ろした。