第30章 女慣れした新たな仲間
「……いいですよ。
可愛い女性と激しく抱き合ってると思えば
全然苦じゃないですから。」
穏やかなトーンで
吐息のような囁きを耳元で聞き、
意図せずとも身体が反応した。
「すみません、つい本音が。」
そう言って小さく笑うエルドに、
「……エルド、やっぱり女慣れしてるよね……」
と、こっちもつい本音が漏れる。
「慣れてないことはないですが、
女性相手に肩固めを決めたことなんてないので」
そう言われたと同時に、
首筋に柔らかい感触が落ちる。
「……何か間違ったこと
してしまったらすみません。」
あ。
これはまさかのダメなやつだな。
ここにきてから
自由な男性に出会いすぎだ……
そう思いつつも、
イケメンに絞め技をかけられて、
ついでにエロいことされるなんて状況が
起こってしまうという漫画のような現実に、
流される以外選択肢はなかった。