第30章 女慣れした新たな仲間
「エルド、ついに女相手でも
対人格闘をするようになったのか?」
リヴァイは
息を切らしながら向かってくるペトラを、
造作もなく交わす。
「はぁっ……
いや、エルドは、女性相手には」
「しないと思っていたが、
そんなことはないみたいだぞ。」
リヴァイはそう言いながら
向かってきたペトラの足をいとも簡単に掴み、
ついでのように関節技に持っていった。
そしてエルドのいる方向にペトラの顔を捩ると、
「見てみろ。」
そう言って関節技を決める寸前で止める。
「……うぅ、あ、
………ほ、ほんとですね……」
関節技の決まる一歩手前で制止した状態のまま、
ペトラはなかなか離れた場所に居るエルドに
視線を向けた。
まだ技は決まっていなくても、
息が既にし辛く、身体も酷く疲弊している。
こんな苦しい思いをし続けるくらいなら、
もういっそのこと技を決めて欲しい。
いや……、関節技ではなく、
エルドがしているように、
絞め技で一旦落として欲しい。
そう思ってしまうくらいに
体力も精神力も消耗していた。