第30章 女慣れした新たな仲間
「凛……って兵長が言ってた……!!」
オルオと呼ばれていた、最初に私に
声を掛けてきた彼は
そう言いかけて思いっきり舌を噛む。
あまりの勢いに
思わず小さく悲鳴を上げてしまった。
「だ、大丈夫?!」
「大丈夫です。いつもの事なので。」
焦った凛の声とは裏腹に、
大丈夫と言い切るペトラの声は
冷淡なものだった。
「久しぶりに心配してもらえたな。オルオ。」
「……ああ。
さすが兵長が認めた女性なだけある……」
二人の会話を聞いていると、
リヴァイは自分のことを
どんな風に話していたのか気になってくる。
いつだったか班員にデートについて
示唆してもらったことがあるようだが、
リヴァイと自分がどこまでの関係性なのか、
この人たちは知っているのだろうか。
「一度お会いしたいと思っていたんです。
兵長が斬新で柔軟な考え方を持つ、
頼りになる秘書が幹部組に入ったと
話していたので。」
ペトラが笑顔で言ったその言葉は、
自分の紹介としては勿体ないくらいに
ありがたく、嬉しいものだった。