第29章 依存

「いやいや、ツイスターゲームって
意外とダイエットにも効果的なんだよ！」

「凛はダイエットをする必要なんてないだろう。」

「……それはエルヴィンが決めることじゃない。」

否定的な発言と共に目を丸くしたエルヴィンに、
凛は思わずツッコミを入れる。



「まぁ別にダイエット目的で
やった訳じゃないけど……」

「それなら何のために？」

「……エルヴィンが言ったからでしょ。」


「………お前、何を言ったんだ。」

リヴァイの鋭い視線は、
ミケからエルヴィンに移動した。



「“距離のある関係のままじゃ、
仕事がしにくいだろう”って。」

「………ああ、確かに言ったな。」


エルヴィンは凛の発言を聞き、
半日前の自分の発言を思い返した後、
さざ波のような細い声で呟いた。



「言ってもゲームをしようと提案したのは俺だが。」

「ミケがこんなゲームをしようって誘うのは
意外だね。
最近あった出来事が関係してるせい？」

「……まぁ、相当堪えてたのは否定しない。」

「“堪えてた”……
なるほど。もう過去形か。」

ハンジは少し顔を綻ばすと、
軽くミケの肩を叩いた。