第29章 依存
「……あれ、エルヴィン?
ん?……ここどこだっけ。」
凛は揺れる視線で周囲を見渡す。
リヴァイはミケから手を離すと、
凛に射るような視線を送った。
「起きたか。体は大丈夫か?」
ミケの問いかけに、
モブリット以外の全員の身体が小さく揺れる。
「ミケ。
ああ、そうだった……体痛い……」
「俺は痛いより疲労感の方がデカいな。
明日の訓練に支障を来しそうだ。」
「そうはいってもミケが言い出したんだからね。
モブリットは大丈夫?」
「あ、はい。自分は途中参加だったので。
ただ腕がまだ若干痺れていますが」
モブリットはそう言いかけて、
リヴァイからの稲妻のような視線を感じ、
言葉を止めた。
「……リヴァイ兵長。もしかして、
何か勘違いされてるんじゃないですか……?」
消え入るような声でそう言うと、
困惑を隠しきれない指先が首筋を軽く掻いた。