第29章 依存
凍り付いていた空気は、
突然開いたドアによって解凍される。
「……俺の部屋に何か用か?」
ミケは額に少し汗を滲ませ、
今から水浴びにでも行くのか、
片手にはタオルが掛けられていた。
「用も何も、私はモブリットを、
エルヴィンとリヴァイは
凛を探しに来てたんだよ。」
「ああ、なるほど。
確かに二人をかなり長時間
拘束していたかも知れないな。
すまなかった。」
ハンジの質問に
あっけらかんと答えるミケだったが、
「おい、お前の謝罪はそんなもんでいいのか?」
というリヴァイの一言により、
ミケ共々部屋の前の空気は再び再冷凍された。
「……なんだ。
リヴァイはかなりご立腹の様子だが。
何か凛に急ぎの用事でもあったのか?」
ミケの温和な話し方により、
険悪ムードが熔化されつつあっても、
リヴァイの鋭い視線はそれを許さない。