第29章 依存
「……確かにこの状況で
いきなりドアを開けるのは
いい年した大人がすることじゃないな……
かなりのマナー違反だ。」
「でしょ?
もうこの際だから二人共腹括って、
三人の情事が終わるのを待とうよ。」
エルヴィンは少し冷静さを取り戻しつつあるが、
「お前……
あれだけモブリットに依存してる割には、
こういう状況になっても冷静なんだな。」
と、リヴァイは未だ納得いかないような
少し苛立った口調で言った。
「……やっぱり私、
モブリットに依存してるかなぁ?」
「そうだな。
まぁ、互いに互いを必要としているというのは
傍から見ているだけでよく伝わるが。」
エルヴィンはもうドアの中の様子に
耳を研ぎ澄ませることはなく、
ハンジの問いかけに真っ直ぐ答える。
「そうなんだよ。
モブリットが居ないと困る。
でもだからって、こうしてモブリットが
女の子と仲良くしてるって知ったら、
どこか安心してる自分がいるんだよね。」
ハンジはそう言って軽く目を瞑ると、
自然と少し眉間に皺が寄った。