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君と鼓動が重なる時・2【進撃の巨人】

第1章 それからの日々



モブリットは机の傍らに置かれた丸椅子に座り、
分厚い教科書のページをパラパラと捲る。


「凛さん。
今日は長距離索敵陣形について
より詳しく教授しようと思うんですが……」


「あ。それってエルヴィンが考案した、
巨人領域への遠征用陣形のことだよね。」


その陣形については、
初めて聞いた時から食指を動かされていた。


長距離索敵陣形とは、
巨人をいち早く見つけるために、
人力レーダーを陣形で作り出すという、
なんとも興味深い調査方法だ。

無線などの連絡手段がないこの世界で、
信煙弾を撃って伝達を行なうやり方は、
とても効率的かつ先鋭的に思えた。




「凛さんがこの陣形や調査の仕方について
興味を持っていたことを
エルヴィン団長に伝えたら、
もっと深く色々な調査方法について
学んでもらいたい、と。」


「それで今日はこの分厚い教科書を丸暗記、
ってのが課題か……」


広げられた嫌に厚みのある教科書に
どうしても漏れ出した溜息と共に目を落とすと、
モブリットの小さく笑う声が聞こえ、
視線をモブリットに戻す。

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