第28章 互いの要件
ナイルの出て行ったドアが閉まった直後、
「リヴァイ、悪いな。」
と、エルヴィンは大きく一息つく。
「悪い?何がだ。」
「お前から“新しい作戦”
なんて言葉を聞いたのは初めてだ。」
「ああ。そりゃ初めて言ったからな。」
リヴァイが部屋に入った時から
全く変わらない表情で言い切ると、
エルヴィンの吹き出す声が
部屋に小さく響いた。
「お前がそんな嘘を吐いてまで
ナイルの質問攻めから
俺を守ってくれるなんて意外だよ。
どういう風の吹き回しだ?」
「あ?別にお前を守ったつもりはねぇ。
ただこれからお前とする話には
あいつが邪魔だっただけだ。」
リヴァイは例により眉間の皺を濃くし、
近くのソファーに乱暴に座った。