第28章 互いの要件
「……あいつ、ミケの部屋から
まだ出て来ていないようだが。」
乱暴な座り方とは裏腹に、
リヴァイはポツリと呟く。
「凛がか?まさか。
凛がミケの部屋に入ってから
軽く半日は経つぞ。」
そんな呟きの声量と
対比した声を出すエルヴィンだったが、
「は?半日?
あいつはそんなにミケの部屋にいるのか?」
と、さらに声を張ったリヴァイの表情を見て
フッと息を漏らした。
「……お前も俺も変わったな。」
「俺は変わりたくて
変わったわけじゃねぇよ。」
「リヴァイ。それは俺も同じだよ。」
エルヴィンはゆっくり椅子に座り、
ダミーとして出しかけていた書類を
丁寧に机の引き出しにしまった。