第28章 互いの要件
「……何の話だ。」
思わずエルヴィンから目を逸らしたナイルから
エルヴィンは目を離さない。
「しらばっくれるな。
あの三兵団合同会議の後、
凛とどこで話していたんだ?
まさか公園のベンチで話していた、
なんてことはないだろう?」
「……どこだっていいだろうが。
とにかく、俺と凛は何もなかった。」
「ほう。
無駄に豪華なホテルの一室で
何もせずに話だけして終わったのか。」
「なっ、お前、
どこからそんな情報を……!!」
「鎌をかけただけだ。
相変わらずお前は分かり易いな。」
エルヴィンは口元だけを少し緩めると、
徐に立ち上がった。