第26章 本当の望み
「危ねぇな!
そんなに焦らなくていい。
時間はまだあるだろ?」
「私には時間あるけど、師団長は忙しいでしょ?
それに、気が変わらないうちに
説得始めたいし!!」
「そんな簡単に気は変わらねぇよ。
ただ、お前の説得で
俺が納得するかは別だからな?」
「大丈夫。
絶対納得してもらえる自信があるから。」
ニヤリと笑う凛は、
ナイルの肩を支えにしてベッドを降りて
資料を取りに部屋の隅へ向かった。
「ああいう強引な女は、
苦手なタイプな筈だったんだがな……」
そう呟きつつも、
少し乱れたバスローブ姿のまま
慌ただしく鞄の中をあさる凛の背中を見ていても、
全く嫌な気分にはならない。
ナイルは頬を緩めつつ立ち上がり、
近くのソファーに腰掛けた。