第26章 本当の望み
「待って下さい!
嘘じゃないですからね!!」
「あ?そんな理由で納得いくか!
本当のことを話せと言っただろうが!」
凛の声量に合わせ、声を張った。
自分がこんなにムキになる理由も
イマイチよく分からんが、
本音を話さない相手の要求を
呑む気にはなれない。
「いや、それも本当のことです!」
「それも?それなら他の理由は何だ?」
すかさず問いかけると、
凛の動きが止まる。
「……言いたくないことなのか?
エルヴィンに脅されてる訳じゃねぇんだろ?」
まさかエルヴィンが
そこまで下衆な真似をするとは思えないが
一応訊ねてみると、
凛は小刻みに首を縦に振った。