第26章 本当の望み
「……分かった。
それなら、これから俺がする質問に対して
正直に答えろ。
俺がその答えに納得したら“行為”を続ける。」
「いいですけど……
難しい質問はやめて下さいね?」
相当震えてるくせに、
こいつはそれでも続ける気なのか……
ナイルは不安気な表情を浮かべる凛に
覆い被さった状態のまま、質問を始めた。
「お前、調査兵団で働き始めてどのくらいだ?」
「……一か月弱……ですかね。」
「一か月弱?
そんな短い期間働いただけで、
枕営業をしてもいいと思えたのか?」
「……調査兵団は資金不足が深刻なので。
自分にできることをしたいと思っただけです。」
「そうか。
正直に答える気がないならそれでいい。
もう質問は終わりだ。」
そう言って凛を引き剥がすと、
また勢いよく引き寄せられ、
凛の上に覆い被さる。