第24章 売り言葉に買い言葉
迎えの馬車に乗る直前、
エルヴィンとリヴァイは数人の憲兵に
声を掛けられて足を止める。
凛はその様子を黙って見ていたが、
不意に肩を叩かれ、後ろを振り返った。
「おい。ちょっと話がある。」
「……何ですか?」
またこの人か……
振り向いた先に居た、
如何にも不機嫌そうな師団長を見るなり
ため息が漏れそうになる。
「何だ、その嫌そうな顔は。」
「……いや、
そういう訳じゃないですけど……」
「なら少し話をさせろ。」
ナイルは凛の手を引くと、
エルヴィンとリヴァイと少し離れたところまで
凛を連れ出した。