第24章 売り言葉に買い言葉
「やはり凛の作成した書類は
かなり有効だったな。」
基地を出ると、
エルヴィンは意気揚々と凛の肩を叩く。
「……でも憲兵団で削ることが出来た経費を
調査兵団の調査費用に充てることが
できなかったから……」
凛は会議での討論を思い出し、
大きくため息を吐いた。
確かに自分の作成した資料を元に
エルヴィンが答弁をし、
憲兵団の経費を削減することには成功した。
憲兵団だけがおいしい思いをすることは
ズルいと思っていたから
予算を減らせたことは
いい気味だと思ってしまったけど、
それだけじゃ意味がない。
「大丈夫だ。
それはここから俺たちが説得を重ねるよ。」
「……そう上手くいくとも思えねぇが、
取り敢えずは憲兵団の足元を掬えたことにも、
墓穴を掘らせることができたことにも
意味はあるだろ。」
リヴァイは少し頬を緩めると、
凛の頭をポンポンと叩いた。