第24章 売り言葉に買い言葉
「おい!
お前、色々やってくれたじゃねぇか……!」
後ろから駆け寄ってきたナイルに
肩を叩かれたエルヴィンはフッと息を漏らした。
「お前の提出した資料のお蔭で、
こっちの予算はかなり減った。」
「そうだろうな。」
「……そうだろうな。
じゃねぇだろう……!!」
「だが、減ったと言っても
憲兵団からしたら大した額じゃないだろう?
どうせならその減額できた分を
こっちに回してくれ。」
「あぁ?
ふざけたこと言ってんじゃねぇぞ!
何なんだよ、あの書類は!」
「あれはうちの優秀な秘書が
纏めてくれたんだ。」
エルヴィンは声を荒げるナイルとは対照的に、
落ち着いた声でそう言うと、
凛の肩を軽く叩いた。