第21章 小出しになんてできない想い
リヴァイは凛の持っている
マグカップを取り上げて
机の上に置き、凛を強く抱き寄せた。
こいつはこうして俺に期待を
持たすような反応をしているが、
きっとまだエルヴィンの方が優勢だろう。
欲目に見ても、こいつの心も身体も
エルヴィンに傾いているのは明らかだ。
それでも凛が少しでも
俺を意識する素振りを見せる限り、
俺はこいつから離れる気も諦めるつもりもない。
凛の世界で範司に
“愛は小出しにせよ”
という諺を教えられたが、
小出しになんてできる筈がなかった。
第一、小出しになんてしなくても、
俺の気持ちはいつまでも冷める気がしない。
リヴァイは凛の火照った身体を
冷まさないように、
全身を包み込むような抱擁を続けた。