第21章 小出しになんてできない想い
「いい匂い。ラベンダーかな……
……あ。カルチェラタンか。」
「よく分かったな。」
すぐ紅茶の種類を当てられ、
思わず感心したような声が出る。
「私も紅茶好きだからね。
リラックス効果やストレス対策、
催眠効果があるって言われてるし、
リヴァイにピッタリだもん。」
「おい、どういう意味だ。」
リヴァイはすかさずツッコミを入れるが
凛は特に何も答えることはなく、
紅茶を口に含んだ。
が、すぐに口を離すと
「……あれ。このマグカップ、
あの店で見たやつに似てる。」
そう言ってマグカップをじっと見入る。