第4章 モブリットの興味
……想像していた以上だ。
凛の部屋の前に居たモブリットは、
艶めかしい嬌声が聞こえ始める前に
部屋の前から立ち去る。
エルヴィン団長やリヴァイ兵長が
自由な性生活を送っていることは、
幹部組の中では有名な話だった。
エルヴィン団長が一度抱いた女性は
団長のとの“行為”を忘れることができず、
大金を持って兵団基地に訪れる女性も複数いた。
だが、団長が二度同じ女性を
抱くことはなかった。
……筈だ。
それなのに、今室内で行われているのは
少なくとも二度以上は
しているであろうと思われる“行為”だった。
「君以外の女性を抱きたいなんて
微塵も思わない」
団長が言い放ったその言葉は、
きっと嘘ではないだろう。
声色だけでも、
それが本音だということは察しがついた。