第3章 互いにご無沙汰の欲求
「んっ……、」
漏れ出した吐息は、室内に小さく響いた。
「毎日勉強ばかりしているから、
溜まっているんじゃないのか?」
「……エルヴィンは溜まってないの?
ここに戻って来てから、
また“女遊び”再開した?」
私の吐息に反応して頬を緩めたエルヴィンに
皮肉めいた口調で問い返してみると、
吹き出した声が耳に入り込んだ。
「していないし、する予定もないよ。
君以外の女性を抱きたいなんて
微塵も思わない。」
エルヴィンが明瞭な口調で言い放った言葉は、
鼓動を高鳴らせると同時に、
一気に下半身を疼かせる。
「……すごい口説き文句だね。
さすがエルヴィン団長。」
「事実を言っただけだ。」
笑顔で答えたエルヴィンは
ゆっくり凛に唇を重ねると
優しい愛撫を始めた。