第19章 守りたい理由
その頃。
手洗場に向かって歩いていたジャンは、
突然リヴァイに腕を引かれ、
店の外まで連れ出されていた。
「……リヴァイ兵長、便所に行くんじゃ……」
「そんなもん、お前と二人で話すための
口実に決まってんだろうが。
お前も分かってたんだろ?」
鋭い三白眼に見入られ、
ジャンの身体は小さく跳ねた。
……これはかなりマズイ状況だろ……
この目付きからして、俺は完全に疑われてる。
凛を助けた、
と言う話は聞いていたようだけど、
多分兵長はそんなこと端から信じてない。
頭の中で、この状況を
切り抜ける方法を模索するが、
こっちの顔色を見極めようとする視線が強すぎて
冷静に頭は廻りそうにない。