第18章 金眼からの敵対視
噂については“仮初めの姿”って訳でもないけど、
エレンの見解も間違いではない。
ここは下手に口を挟まない方が良さそうだ。
「確かにエレンの言う通り、
リヴァイ兵長は熱い心の持ち主だよ。
表には出さないし、自分の感情を
制御することが出来るけど、
実際は激情家なんじゃないかなぁ。」
「やっぱり!リヴァイ兵長は
巨人を駆逐することにも……」
怒涛の如く始まった
エレンのリヴァイ妄想を聞きながら、
リヴァイとジャンの現状が気掛かりになる。
本当にジャンは
大丈夫なのだろうか……
ボコボコになって
戻ってきたらどうしよう……
……いや、でも訓練兵相手に
リヴァイが手を上げるとは思えない。
それに、ジャンも私と何があったかなんて、
きっとリヴァイには
口が裂けても言わないだろう。
エレンの濁りのない瞳を見つめながら、
ジャンの無事を密かに祈った。