第17章 偶然の再会
「………バラさない代わりに
調査兵になれ、とでも言うつもりか?」
そう問いかけた途端、
女の表情は一気に緩んだ。
「言わないよ。」
さっきまで辛辣な表情を浮かべてたくせに、
この差は何なんだ……
振り回されてばかりな気がして
あまり気分は良くないが、
女の顔が綻んだことについては
どこか安心している自分もいた。
「調査兵は、無理矢理ならされて
出来るような仕事じゃない。」
「……俺は立体機動の扱いなら、
かなり評価されてんだぞ?」
「ストレス発散法については
評価できないけどね。」
「うるせぇな……
たまにしかしてねぇよ。」
「そっか。」
急に真面目な表情で話し出したかと思えば、
今はもう肩を震わせて笑っている。
初めて会った時もそうだったが、
こいつは掴みどころがなさすぎる……