第17章 偶然の再会
「……何でそう思うんだ?
俺がそんなに成績優秀者に見えたか?」
「そうだね。
プライベートで
“良くないこと”をしたくなるのは
訓練に相当ストレスが
溜まってるせいな気がしたから。」
冗談で問いかけたつもりが
真面目に返答され、思わず口籠る。
「訓練所で真面目にしてる分、
ここで発散してんのかなー
ということは、
真面目に訓練受けて上位10名に入って、
憲兵にでもなるつもりかなー……
って思っただけ。」
どこか面倒そうな口調で話す女は小さく笑うが、
その目はあまり笑っていない。
「……でも“あんなこと”してるのがバレたら、
憲兵どころか訓練課程を終えることすら
危ういよ。」
「……俺を脅す気か?」
「脅したら何してくれるの?」
すかさず問い返され、
女の冷静すぎる視線に少し身体が強張った。