第17章 偶然の再会
「ジャン、何か怒ってる?」
「……別に怒ってねぇよ。」
「でも眉間に皺寄ってるよ?」
女の匂いが近付いたと同時に、
眉間に指先の暖かい感触が伝わって、
咄嗟に女の手を払い除けた。
「っ……、触るな。」
少し驚いた表情の女が目に留まり、
過敏に反応しすぎたと少しバツが悪くなる。
「いや……、」
「咥えろって言ったり、触るなって言ったり、
ジャンは忙しいね。」
謝ろうと口を開いたのにも関わらず、
小声でとんでもないことを囁かれ、
反射的に女の腕を掴んだ。
「お前っ……!
もし兵長に聞こえたらどうすんだよ!」
「……どうするだろう。」
若干表情の曇った女を見て、少し背筋が伸びる。