第17章 偶然の再会
「お前が言い出したんだろうが。」
不機嫌そうな顔で見入られながら、
周囲を確認する。
人類最強の英雄が街中で
下ネタを口走っているところなんて、
一般市民に見られていい筈がない。
「……そんなこと言ったって、
質問してきたのはリヴァイだからね……」
だけど、もうそんな質問、
これからは街中で正直に答えません。
と、心の中で付け加えつつ、
ふと視線を前に向けると、
見覚えのある後姿が目に留まった。
「あ。あれ。ジャンだ。」
茶髪の刈上げを指さし、リヴァイに視線を送る。
「……ジャン?
お前のことをいやらしい目で見ていた
訓練兵か?」
「その言い方はどうかと思うけど……」
第一、私はいやらしい目で見られていたなんて、
全く思わなかった。
男だから分かる視点なのかもしれないけど、
仮にも助けてもらった相手だ。
さすがに失礼すぎる。