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君と鼓動が重なる時・2【進撃の巨人】

第158章 番外編《それぞれの“これから”のすごしかた》



「……ナンパにホイホイついて行かなくなった。」

「いいことだな。あとは?」

「お酒を飲まなくなったから、飲み会に参加することも殆どないし、酔った勢いで……っていうことがなくなった。」

「お前……本当に男に関することばかり変わったな。」


どう我慢しようとしても、つい顔が緩む。

訝しげな視線から逃げる様に、凛の頭頂から額に掛けて、ゆっくり手を撫でおろした。



「あの時は三股掛けてるようなもんだったからね。
その反動もあったんだと思う。」

「それだけじゃないだろう?」

「……え、」

「お前は“この世界”の男じゃ満足できない。
もうそういう心と身体になってるんだよ。」


これは絶対に的を射た言い分だと確信していた。

その確信通り、凛は目を伏せ、赤らんだままの顔を手で覆う。




「……それについては、反論…できないです……」


呟くような声も包み込むように、凛を抱きしめる。

気が動転しているせいか、抵抗は意外と緩い。

首筋に鼻を擦り付けると、凛の身体は少しだけ跳ね上がった。



「いいことだ。転生した甲斐があった。」


キスは出来なくても、こうして本物の凛の体温を肌に感じられただけで、今は十分だ。



「覚悟しとけよ。
俺も、もう誰にも遠慮する気はない。」


耳元呟くように言葉を溢す。

ますます赤みを帯びていく耳輪を見つめながら、深い安心感を包み込み続けた。



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