第157章 ~epilogue~
「あの世界から離れた日から、三年以上経ってるし、誰も転生なんてしてないんだと思ってたよ……」
「それなのに凛は、三年も恋人を作らずにいたのか?」
「え、何でそんなこと……」
「凛に声を掛けた時の反応で簡単に分かったよ。
拒絶の仕方が、あまりにえげつなかったからな。」
「……ご、ごめん、」
笑いながらのエルヴィンの発言に対して、反射的に謝罪の言葉が口を突いて出る。
それだけで恋人の有無を感じ取るエルヴィンは、相変わらず敏感過ぎるとしか思えないが、確かにあの時の拒絶の仕方は自分でも酷いと思った。
「いや、いいんだ。
それについては喜びしかないからね。」
「だからって再会して早々にプロポーズする奴があるか。」
「ぷ、プロポーズ?!」
リヴァイの呆れたような声に対して、モブリットが思わず声を上げると、範司は肩を震わせて笑い始めた。
「エルヴィンらしいね。
まぁ、後からこの二人が現れなければ、凛も勢いでOK出してたかもしれないし。」
「そうだろう?
勿体ぶっていないで、早く正体を明かせばよかったよ。」
エルヴィンはそう言って再び凛の前に跪くと、凛の顎元を指先で引き上げた。