第157章 ~epilogue~
「だが、勢いじゃなくても、凛にこのプロポーズを受けてもらえる気ではいるよ。」
重ねられた視線から熱が伝わる。
そう感じる程に、エルヴィンの瞳は熱く真摯で、逸らすことが出来ない。
「また時間はかかりそうだが……
今の自分に、しがらみになるようなものは何もない。
本当に言葉通り、君だけを見ていられる。」
「それはこっちも同じだ。
凛、もうこれからは生温い手段は使わねぇぞ。」
リヴァイに再び強く手を握られた時、範司はモブリットをエルヴィンとリヴァイの間に押し込んだ。
「いやいや、二人共相変わらず強引さが半端ないけどさ、モブリットなんて物心ついた時から凛で頭がいっぱいなんだからね。
この世界では絶対まだ童貞だよ?」
「ちょ…、ハンジさん!
何てこと言ってくれてんですか!」
「わ、その反応ってことは、やっぱり童貞だな!」
「…………いいじゃないですか。
前世で凛と離れてからずっと、凛以外の女性に興味が湧かないんですよ。ただそれだけです。」
瞬時に赤面して、小声で口早に言い訳のような言葉を並べてみるモブリットを見て、こっちまで顔が火照ってくる。
そんな魅力的な言葉を掛けられて、心が騒ぎ出さない筈がない。