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君と鼓動が重なる時・2【進撃の巨人】

第157章 ~epilogue~



「凛の顔も、ずっとぼんやりとしか浮かばなかったんだ。
名前も思い出せそうになかった。

……だが、君と過ごした日々は確実に記憶に残っていた。
凛。君と交わした大切な言葉たちも、肌を合わせた感覚も、ずっと抱いたままで今まで生きてきた。

君が何者か分からないままでも、ずっと君を探して今まで生きてきた。」


「エルヴィン……」


「何かに導かれるようにこの場所に来てすぐ、ここで君を探さないと、と思って、この辺りを駆け回っていた。
その時点では、まだ顔も名前も思い出せていなかったが、君の横顔を見た瞬間、全て鮮明に思い出したよ。」



不意に握られた手から伝わるエルヴィンの肌の感触は、まだ湿ったままで、何を考えるでもなく、自然に握り返す。


最初エルヴィンの声だけで気付くことができなかったのは、きっとエルヴィンが走り回って私を探してくれていた過程で、息を切らし、声が掠れていたせいだろう。




「……リヴァイも、同じ?」

「ああ。癪だが、エルヴィンと全く同じと言っても過言ではねぇな。」



エルヴィンの横に屈んだリヴァイに、もう片方の手を握られる。

リヴァイの熱い体温は、既に熱を持った自分の身体を、ますます火照らせた。

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