第151章 変わらぬ想い
「もっと早くお前と飲みに行くべきだったな……」
リヴァイはウイスキーグラス片手に、あからさまに頬が緩んでいる。
凛以外にあんな顔をするなんて、珍しいこともあるもんだ。
最近絶対見ることのなかった表情に、ハンジは目を丸くした。
「同感です。
まさかリヴァイ兵長が、こんなに面白い方だと思っていませんでした。」
「それはこっちのセリフだ。」
ミケはリヴァイ相手に建前抜きで話をしているような、笑顔のモブリットを目にし、この二人が一体何の話で盛り上がっているのかがどうしても気になっていた。
「……想像以上に楽しそう。
何の話してんの?」
「……ここからじゃ、会話の内容まで詳しく聞くのは無理そうだな……
だが、何を話しているかは、俺もかなり気になる。」
「あらかた凛の話しかしておらんぞ。」
「へぇ、凛の話。そりゃ盛り上がる訳だ。」
ハンジはそこまで言い切ったところで、しわがれた声が自然な様子で会話内に出現していたことに気付き、勢いよく顔を上げた。
「あの二人が心配で、後を付けて来たのか?」
「ぴ、ピクシス司令……!」
咄嗟に敬礼したハンジとミケを見て、ピクシスの目元には柔らかい皺が寄る。
そして、緩んだ表情のままでハンジの隣に腰掛け、会話をしているリヴァイとモブリットに視線を向けた。