第144章 吐き出され続ける情欲
「……エルヴィン、一緒に入る?」
また凄まじく積極的なことを言ってしまった……
湧き出した本音を溢し切ってからそのことに気付き、どうにか冗談にしようと再び口を開く前に、後ろから抱き寄せられ、全ての動きは止まった。
「君は、本当に俺を誘うのが上手い。」
「え、エルヴィン、濡れるよ?」
「いいよ。もう服は脱いできているから。」
「え?!」
「当たり前だろう。
俺も凛と風呂に入るつもりでここに来たんだから。」
私の驚嘆の声を掻き消すように、湯船からお湯が掬われ、浴室内は掛け湯をしている音で満たされた。
「君が誘ってきたのに、後ろを向いたままなのか。」
「……誘うつもりはなかったんだもん。」
「だが、冗談を言っている口調にも思えなかったが。」
水面が静かに揺れ、水嵩が増す。
そうしてすぐ、後ろから生肌の感触に包み込まれた。