第144章 吐き出され続ける情欲
「玄関先で欲情しすぎたな。
こんなに良い部屋なら、もっと室内でも楽しむべきだったよ。」
再び身体を重ねた後、エルヴィンは凛を横抱きした状態で部屋を見渡す。
落ち着いた色彩の組み合わせや、計算された優しい光の演出は、部屋を隅々まで癒しの空間に仕立て上げている。
キングサイズのベッドを中心に、開放感の溢れる広い作りになっているのも好印象だ。
「……そう…だね、」
「凛。まだ息が上がっているのか?」
「当たり前でしょ……仕返しがえげつない!」
紅潮した頬のまま訴えてくる凛が可愛くて、顔は緩みっぱなしだ。
不満気な顔を浮かべたいんだろうが、乱れた身体と呼吸のままでは、ただただこっちの淫欲を誘ってくる要因にしかならない。
「君だってそうだろう?
いつもの仕返しと言わんばかりに、俺を攻めていたじゃないか。」
「その仕返しの仕返しが、容赦なさすぎるんだってば……!」
「だが、気持ち良かったんだろう?」
すかさずそう問いかけると、凛は言葉を詰まらせる。
そんな様子も、愛おしさばかりが込み上げる。
「凛、もう一度君を抱きたいんだが」
「む、むり!ちょっと休憩しよ!」
凛の赤らんだ顔は、落ち着くことを忘れたようだ。
焦った表情を隠すように、胸に顔を埋めてくる凛の額に軽くキスを落とし、ベッドへ横たえた。