第143章 ●衝動的に
「……エルヴィンの、この行為だって…
教育上、よくない……!」
「その通りだな。」
笑みを溢されながら同意されるが、行為を中断する気配はない。
前に回り込んだエルヴィンの手は、陰部の割れ目を優しくなぞった。
「んぅっ、あ…、」
どうにかして我慢しようにも、いやらしい吐息も声も、どうしても零れてしまう。
手で口を押さえ、必死で耐えるが、エルヴィンの指先は陰部への快感を与え続けてくる。
スカートの上から触られるくらいじゃ足りない……
直接触れて欲しい、とまで思ってしまうような深い快感を、全身が欲していた。
「……“痴漢”されて、そんなモノ欲しそうな顔をしていたらダメだろう?」
耳元で囁かれながら顔を引き上げられ、ガラスに映った自分の顔を無理矢理視界に入れられる。
ガラスの中では色までは分からない筈なのに、紅潮していることが伝わるくらい、卑猥な表情を浮かべている自分の姿が映っていた。
「…エル、ヴィンっ……」
「ん?」
「降りる、」
端的に言葉を溢すと、エルヴィンの指先の動きが止まる。
それとほぼ同時に電車は停車し、目の前の扉が開いてすぐ、エルヴィンの手を引いて足早に歩き出した。