第137章 大切な時間
リヴァイが調査兵団基地に戻って来たことを、ハンジが伝えに来てくれるまで、何か話しをするでもなく、ただひたすらに、互いがここに居ることを確かめるようなキスを繰り返していた。
モブリットは惜しむように唇を離すと、もう一度だけ凛を強く抱きしめた。
「そろそろ行くよ。」
「……うん。」
「そんな顔しないで……
まだ最後の別れって決まった訳じゃないから。」
既に涙で濡れていた凛の頬を、親指でそっと撫でる。
充血した瞳を覆うように口付けると、凛の表情は少しだけ綻び、自分の固まっていた全身の筋肉も、僅かに緩んだ。
「大丈夫だよ。凛も、俺も。」
小さく頷く凛の両手に頬を包まれ、自然と凛だけに視線を集中させる。