第137章 大切な時間
「凛~?まだモブリットいる?」
ドアの外から聞こえた声で、ハッと我に返り、唇を解放する。
「ハンジ?まだいるよ!もう時間?」
「うん、そろそろなんだけど、次のリヴァイが憲兵団から帰ってきてなくて。
多分まだ暫くかかると思う。
せっかくだから、もうちょっとモブリット楽しませてあげてよ。」
「……その言い方はどうなの?」
そう呟きつつも、ハンジの気遣いは意外にも思えていた。
「ハンジ、わざわざ時間確認して、それ伝えに来てくれたの?」
「ああ、意外だったでしょ?
私普段時計とか見てなさそうだから。」
自分でそれを言うのか!
と心の中でつっこみつつ、そうだね、とだけ返事をする。
「言ったでしょ?
私はモブリットを応援してるからね。」
「……ありがとうございます。」
モブリットの口から零れ落ちるように発せられた言葉を聞いたハンジは
「凛とのこと協力し始めてから、初めてお礼言われた気がする!
良かったよ、役に立てて!」
と、笑い声を漏らし、じゃあ楽しんでね~と、浮かれた音声はすぐに遠ざかった。