第137章 大切な時間
「凛、分かり易いから。
“あ、今妬いてる!”って瞬間、結構あったな。」
「……恥ずかしい。
いや、でも別に嫌とかじゃないんだよ!
羨ましいって思っただけで!」
「分かってるって。
私も凛とモブリットが楽しそうにしてると、羨ましいと思ってたもん!」
ハンジが私の身体を離すと同時に、バンバンと肩を叩かれる。
「そうなの?」
「うん。ただ、これは嫉妬なんかの類じゃないだろうけどね。
モブリットが羨ましかった。
……いや、モブリットだけじゃないな。
エルヴィンやリヴァイも。
恋愛をしてる彼らが、あまりにも幸せそうだから。」
ハンジにしては意外な発言だと思ったが、この穏やかな表情を見て、今の発言が冗談だとも思えない。
「ハンジも、恋愛してみたくなったってこと?」
「出来るものならね。
でも、そんな簡単なものじゃないんでしょ?
リヴァイなんて、初恋に落ちるまで何十年かかってんの?」
「え、さすがに私が初恋ではないでしょ。
多分それっぽい感情なら、今までにも」
「いやいや!
あのリヴァイが今まで恋に落ちたことなんてあると本気で思う?」
身を乗り出すようにして発言を遮られ、つい小さく唸ってしまう。