第137章 大切な時間
勢いよく部屋に入って来た幹部組の面々を久しぶりに見て、安堵のため息が漏れる。
良かった……本当にみんな無事だ。
前回の調査後のように、リヴァイが腕を吊っていることもない。
「心配かけてごめん……みんな、おかえり。」
そう言ってすぐ、エルヴィンとリヴァイの深いため息が被って聞こえ、思わず小さく吹き出した。
「おい、笑いごとじゃねぇぞ。」
「……だって、普通、ため息まで被る?
やっぱり二人、何だかんだやり合ってるだけあって、気も合うよね。」
「本当に普通だな……
一日おきに眠っていたとは思えない。」
エルヴィンは私の前に跪き、ゆっくり手を取る。
温かい体温を久しぶりに感じ、安心感が身体を巡った。
「調査、どうだった?報告書できてる?」
「起きて早々に調査の心配か。
逆にこっちがお前の報告書を欲しいくらいだ。」
ミケの呆れたような声が響き、ハンジがプッと笑い声を溢す。
「凛の作戦、かなり上手くいったぞ。
モブリット、報告書を。」
エルヴィンの声掛けがあってすぐ、モブリットはエルヴィンの隣に屈む。
「驚いてくれると思うよ、いい意味で。」
久々のモブリットの笑顔を見ながら報告書を受け取る。
不意に冷えた手がぶつかり、報告書ではなく、思わずその手を握り締めた。