第136章 調査中は思慮の時間
アンカに仕事内容を指示してもらい、この基地にいる間、自室として使わせてもらう部屋に案内される。
渡された書類を机に置いてから、部屋を軽く見渡す。
調査兵団の自室とほぼ同じ作りで、どこか安心感を覚えた。
「今頃、兵団はどの辺を走っているのかなぁ……」
離れていると尚更、調査の状況が気に掛かる。
その時ふと、昨晩エルヴィンの部屋で突然の眠気に襲われたことを思い出した。
あれは何だったんだろう。
確かにいつも眠くなるのは突然だが、あんなタイミングで眠くなったことはなかった。
強い眠気に誘われるのは、決まって情事後だ。
何か嫌な予兆じゃなければいいけど……
机の前の椅子に腰かけ、書類を開きながらため息が零れ出した。