第135章 力の源
凛の明らかに気落ちした表情を見ながら、図らずも頬が緩んでしまう。
あの発言を鵜呑みにして、朝するつもりでいてくれた事実だけでも、こっちとしてはたまらなく嬉しい。
だが、実際凛と添い寝をしただけでも、かなり満たされた気分になっていたから、朝から抱く必要性はそこまで感じていなかった。
「ナイルがいるなら、俺も取りに来てもらう気でいたんだが。」
「……他の兵士に頼むのも無理?」
「ああ。伝えたい話もあるし、俺が行くのが、一番効率がいい。」
「……すぐ出発するの?」
「そうだな。あと5分もしたら、部屋を出るつもりでいた。
だから君がそれまでに起きてくれて良かったよ。」
「5分あるの?」
何故か突然目を輝かせる凛を見て、思わずたじろぐ。
「……何だ。さすがに5分では出来ないからな。
そんなに焦って君を抱きたくない」
そう言い切るより先に、ベルトに手を掛けられ、咄嗟にその手を掴んだ。