第135章 力の源
「待った!俺の話を聞いていないだろう?!」
「聞いてるよ。
5分もあれば、私が咥えて抜くことくらいならできる。」
「……本当に君は……」
堪えきれずに肩が震え、凛の不審気な視線が顔を覗き込んでくる。
「え、今の笑うタイミングじゃなかったよね?」
「……いや、そんなこともないよ、」
掴んだ手を引き寄せ、凛を胸に収めた。
彼女の行動は、相変わらず突拍子もないし、強引で、並外れている。
普通の女性が考えることではない。
いや、もし考えたとしても、それを実行する人なんてまずいないだろう。
それを迷うことなく行動に移すのが、凛の面白い所であり、凛に惹かれる理由の一つだ。
顔を上げた凛の額にキスをすると、どこか納得いかない表情が目に留まるが、構わず抱きしめたまま口を開く。
「5分でできることは、他にもあると思わないか?」
「……エルヴィン、それくらいで満足できる?」
「むしろこっちの方が、今は満足できるよ。」
そう言い切ると、凛は再び胸の中に収まった。
「……調査終わったら、覚悟しててね?」
「それはこっちのセリフだ。」
くぐもった声にツッコミを入れ、さっきよりも火照った身体を包み込む。
凛の体温を感じながら、また全身の力が漲るのを感じていた。